楽天の商品ページって、結局は「商品力がすべて」でありつつも、検索で見つけられて → クリックされて → 不安なく購入されるところまでを、ページ側の設計でどれだけ“滑らかに”できるかで、ページ収益(売上の出方)がじわっと変わります。派手な裏技を狙うより、ユーザーが迷わない構造に寄せるほど、結果としてアルゴリズムにも人にも好かれやすい。そんな感覚が、実務をやればやるほど強くなりました。
私はもともと、楽天・Yahoo!ショッピング・Amazonなどの商品ページ(LP部分)の制作管理に従事していた時期があります。役割としては「作る人」というより、制作のディレクションや運用設計、品質管理がメインで、ただ現場は常に人手が足りないので、必要があれば自分でも制作を手を動かしました。画像の登録、ちょっとした差し替え、CSVでの更新、細かな調整……そういう“雑務”に見える実務こそ、積み上げると数字に効いてくるのを何度も見てきました。
ECの運営体制って、大きく分けると2パターンあるなと思っています。
ひとつは、中小でほぼ一人で完結する事業者さん。いわゆる「オールラウンダー」で、社長が全部やってるケースも多い。強い反面、とにかく時間がないので、今のやり方を大きく変えたくないし、深いところは「何それ?」となりがちです。誰か相性のいいパートナー(制作やコンサル)に渡った瞬間に伸びる余地があるのに、そこまで手が回らない。そんな場面をよく見ます。
もうひとつは、担当が分かれている事業者さん。私がいたのはこっちで、担当が分かれているからこそ、実務では自分の領域を越えて「これ、結局こういうことですよね?」を翻訳して共有したり、別担当へフィードバックして実装に落とし込んだりする必要が出てきます。ここで大事なのは、ずるいことではなく、伝わりやすくすること。それが最終的に、検索にもクリックにも購入にも効いてくる。
この記事でまとめるのは、いわゆるノウハウというより、「分かってますよね?」の寄せ集めです。
でも、その“ちょっとしたこと”が、
- 露出(検索に拾われる確率)
- クリック率(一覧で選ばれる確率)
- 購入率(不安が消えて決断できる確率)
に分解して効くと、ページ全体の収益性が変わることがあります。商品で勝負するのが本筋なのは大前提として、その勝負をちゃんとユーザーに届けるための「整地」を、楽天RMSの細かい設定から詰めていく——そんな目的で書いていきます。
理想は、いわゆる**「三方よし」**です。
売り手よし(運用が回って利益が出る)、買い手よし(迷わず納得して買える)、世間よし(良いプロダクトが正しく届く)。そのために、目立たないけど効く設定を、できるだけマニアックに、実務目線で整理していきます。
1. まず前提:楽天の「検索」と「ページ評価」は、入力欄ごとに役割が違う
楽天は「商品ページ=1枚のHTML」ではなく、**RMSの項目群を束ねた“データ構造”**として扱われがちです。だから、同じ文章をどこに書くかで効き方が変わります。
- 一般的に「検索対象」と言われる入力引数が複数ある(商品名、キャッチコピー、商品説明文、販売説明文、商品属性など)。
- つまり、**「文章を頑張ったのに露出しない」**の多くは、文章力ではなく「入れる場所のミス」か「属性/ジャンル/SKUの欠落」です。
ここから先は、**“どこをどう埋めると何が改善されやすいか”**に寄せて書きます。
2. 商品名:127文字は「SEO枠」ではなく“情報設計枠”として使う
楽天の商品名は全角127文字上限とされる解説が多いです。
でも、上限まで詰めるかどうかより大事なのは、先頭からの情報の並びです(検索結果で途中が省略されるため)。
マニアックに効く設計ルール(テンプレ)
商品名はこの順で崩れにくいです:
- ブランド/シリーズ(表記ゆれ禁止)
- 商品カテゴリ(ユーザー語):例)「枕」「ワイヤレスイヤホン」「ビジネスバッグ」
- 型番/規格(比較軸):容量、サイズ、世代、対応機種
- 差別化の核(1〜2個):素材、機能、公式/限定、製造国など
- 用途/悩み(検索の入口):肩こり、時短、ギフト 等
- バリエーション情報(色/セット数):ただしSKUで選べるなら“書きすぎない”
“詰め込み”の代わりにやること(薄くならない裏ワザ)
- 同義語を並べるのは、商品名より説明文側に逃がす
例)「スマホ / スマートフォン / モバイル」みたいな羅列は商品名の可読性を殺します。 - 数字・単位の統一:
10mmと10ミリを混ぜない(比較時に強い) - 区切りは半角スペース(過度な装飾記号より読みやすい)
- 注意喚起は〖〗で“要素ごと”に分離(中古、訳あり、予約など)という実務ルールが紹介されています。
地味だけど事故るポイント
- 機種依存文字・特殊文字・絵文字で登録/更新エラーになるケースがある、という運用上の注意が整理されています。
→ 装飾は“強そうに見える”けど、まず事故率が上がります。
3. キャッチコピー:87文字を「検索の補助」と「クリック理由」に分離する
キャッチコピーは最大全角87文字という説明が一般的です。
しかも表示面が厄介で、スマホのカテゴリページでは短くしか表示されない/アプリでは非表示といった制約が語られています。
だから“2レイヤー”で書く(マニアック設計)
- 前半(〜14文字に収まっても意味が通る):カテゴリ一覧で拾われる短いベネフィット
- 例)
蒸れにくい防水/寝返りしやすい/1分で時短
- 例)
- 後半(詳細):商品名に入れにくい検索語・季節・用途
- 例)
梅雨/通勤/自転車/ギフト対応…など
- 例)
キャッチコピーでやると強いこと
- “誰の何のため”を固定:例)
敏感肌向け、子ども用、業務用 - 比較軸を1つだけ立てる:
軽量/静音/大容量 - 誤解防止(返品率を下げる):互換品/並行輸入/リニューアル等は、商品名だけでなくここにも補足
4. 説明文は「4つの箱」を別用途にする(同じ文章を貼り回さない)
楽天SEOの解説では、商品名以外に「PC用販売説明文」「スマホ用商品説明文」「PC用商品説明文」など、複数枠が重要として挙げられます。
ありがちな失敗
- 全枠に同じ文章を貼る → 情報密度は増えないのに読みにくさだけ増える
- “検索用キーワード文章”をスマホ冒頭に置く → ファーストビューで離脱
マニアックな“箱の割り当て”例
- スマホ用商品説明文:
- 上から順に 「結論→不安つぶし→選び方→仕様→FAQ」
- 最初の5行で「誰に/何が/どう良い/何が届く/いつ届く」を終える
- PC用商品説明文:
- 仕様の詳細、比較、テーブル、長文レビュー的説明(PCユーザーは読みやすい)
- PC用販売説明文:
- 店舗都合の説明(配送・返品・保証・同梱物)を“迷子にならない構造”で置く
HTML制限は“攻めどころ”
スマホ側の入力枠はHTMLタグ制限がある、<div>が使えない等の注意が整理されています。
また、過去に“裏技的”に使われたiframeなどが禁止/修正対象になった経緯も語られています。
裏技を書くならここが刺さる:
- 「昔はできたけど今は危ない」を明確にしつつ
- **“制限下で読みやすくする構造(見出し/箇条書き/短文/FAQ)”**を提案する
→ これが薄い記事と差別化しやすいです。
5. SKU設計:バリエーションは“見せ方”ではなく「検索の露出面」を決める
楽天のSKUプロジェクト関連で、登録単位がSKU前提になり、タグID→商品属性情報へという文脈が説明されています。
SKU設計のコツ(マニアック)
- 分けるとレビューが割れる / まとめると比較しやすい
→ 同一商品なのに色ごとに別ページを作ると、レビューも分散しがち - SKU画像は“選択後の不安”を潰す
- 色差、サイズ感、セット内容がSKU単位で誤解されやすい
SKU運用の「地味な勝ち筋」
- 欠品SKUだけ露出を落とす(在庫・納期の整合性を守る)
- 人気SKUに合わせてメイン画像を最適化(ただしガイドライン順守)
6. ジャンルID(旧ディレクトリID)と商品属性情報(旧タグID):未設定は“存在しない”のと同じ
商品属性情報の重要性(絞り込みや検索理解のため)や、タグIDからの移行が解説されています。
ここがマニアックに効く
- ジャンルIDは“浅い階層”を選ぶと取りこぼす
→ 絞り込み導線や関連商品導線で不利 - 商品属性情報は必須だけ埋めて満足しない
→ 推奨項目が検索・回遊で効くケースがある(露出面の増加)
ブログのネタにしやすい切り口
- 「商品名で頑張る前に、ジャンルID/属性が埋まってないと土俵に立てない」
- “設定が終わると何が変わるか”を
- 絞り込み検索に出る
- 関連商品に乗る確率が上がる(体感)
みたいに因果で語る(断定しすぎず、運用目線で)
7. 第1商品画像:ガイドライン順守は“守り”じゃなく、クリック率の土台
楽天の公式系コラムで、第1商品画像とSKU画像が対象、さらに
- テキスト占有率20%以下
- 枠線なし
- 背景は白 or 写真背景
- アニメGIFは対象画像に使わない
- 700×700px以上推奨
などが示されています。
マニアック設計(“第1画像に書けないこと”を逆算する)
第1画像がシンプルになるほど、伝えたい情報が溢れます。そこで:
- 第1画像:商品そのもの(誤解がない、比較で負けにくい)
- 2〜5枚目:選ばれる理由(ベネフィット3点、利用シーン、サイズ比較)
- 6枚目以降:仕様・FAQ・注意事項(テキスト量を“画像に逃がす”のはこの領域)
※画像枚数は1商品20枚という説明が見られます(運用上ここを前提に組む店が多い)。
8. R-Cabinet運用:画像の「命名」「フォルダ設計」は、地味にミス率を下げる
ここ、記事が薄くなりがちなのに、現場では超効きます。
ルール化すると得すること
- CSV差し替え時に迷わない
- “どれが最新か分からない”事故が減る
- 画像容量上限/フォルダ上限の管理がしやすい
例:命名規則テンプレ(店舗内規約として固定)
商品管理番号_用途or構図_連番.jpg- 例)
abc123_main_01.jpg/abc123_size_02.jpg/abc123_scene_03.jpg
- 例)
- 連番を必ず2桁にする(01,02…)
- “差分”は末尾に寄せる(並び順で探せる)
9. 商品管理番号と商品番号:運用の「軸」を間違えると、あとで詰む
外部ツールやCSV運用をするほど、ここが効いてきます。
- 商品管理番号と商品番号は似ているが役割が異なる、という整理があります。
- 一般に、商品管理番号はURLや在庫連携のキーになりがちで、変更しない前提で設計した方が安全です。
マニアックなベストプラクティス
- “見た目の都合”で商品管理番号を変えない
- ルールは最初に決める:
- 例)
ブランド略号-カテゴリ-連番(nk-bag-00125)
- 例)
- 色/サイズはSKUで持ち、管理番号に混ぜない(混ぜるとSKU移行・統合で破綻しやすい)
10. 項目選択肢(プルダウン/チェック/フリー入力):CVR改善の“隠しUI”
項目選択肢は、カート投入前に購入者へ確認させるUIとして活用されることがあり、設定方法の解説があります。
マニアックな使い方(やりすぎると逆効果なので線引きも書く)
目的は2つだけに絞ると強いです:
- 誤購入防止(返品/問い合わせ削減)
- 例)
対応機種を選択してください(必須) - 例)
【重要】◯◯の場合は使えません(確認しました)(チェック)
- 配送・納期トラブル防止
- “最短お届け可能日”周りは誤解が起きやすいので、確認を挟む店舗もあります。
11. 配送表示:Rakuten最強翌日配送は「商品ページの表記」とセットで設計する
Rakuten最強配送→最強翌日配送への名称変更が公式ページに記載されています。
また、対象でも最短お届け日が翌日でない場合がある等、注意事項がFAQにまとまっています。
マニアックに効くポイント
- 配送訴求は“盛る”ほどクレーム増なので、ページ上の表記と整合性を取る
- “最短お届け可能日”系は
- 商品ごと
- 地域ごと
- 締め切り時間
で揺れるので、固定文言より「確認動線」(選択肢・注意文)を整える方が安全
12. 「昔の裏技」系は、いま書くなら“禁止・制限を踏まえた代替案”が価値になる
スマホページで本来使えないタグを使う“裏技”が修正対象になった経緯が語られています。
記事で刺さる書き方(薄くならない)
- NGを煽らない(再現手順を書かない)
- 代替として
- 許可された範囲でのHTML(短文/箇条書き/FAQ化)
- 商品画像枠(20枚)に情報を再配置
- 項目選択肢で確認を取る
をセットで提示する
13. 最後は“チェックリスト化”して、読者がそのまま運用に落とせる形にする
記事の締めはこれが一番強いです(保存される=再訪が増える)。
コピペ用:楽天RMS 商品ページ・マニアック設定チェックリスト
- 商品名:先頭で意味が通る構造(127文字上限の範囲で設計)
- キャッチコピー:前半短文+後半補足(87文字上限)
- 検索対象になり得る欄を“用途別”に書き分け(商品名/説明文/販売説明文/属性)
- SKU:まとめ方が妥当(レビュー分散・比較しづらさを起こしてない)
- ジャンルID/商品属性情報:必須だけで止まってない(絞り込み対策)
- 第1商品画像:テキスト20%以下/枠線なし/背景ルール/700×700以上推奨を順守
- 配送表示:最強翌日配送の表記と注意喚起が整合している
- スマホ説明文:HTML制限を踏まえた構造(禁止タグ回避)
- 項目選択肢:誤購入防止/配送トラブル防止にだけ使って、選択疲れを起こしてない
